ふるさと(熊本)の歌を創り続けています。


by binggou

私の人生を変えた珠玉の言葉(3)

蟻が百匹山道を歩いる話
 これも10年以上前、旅行作家小林正観さんから聞いた話です。
 ある晴れた日、山道を百匹のアリ達が行列となり歩いていました。何時ものように、食べ物を探しに出かけて行く一行です。

そのアリの行列には、一匹の隊長と数匹の部隊長的なアリがいました。隊長アリは物凄く厳しく厭味な奴でした。ちょっとでも仲間のアリが歩くの遅かったり、働く手を休めようものなら、蹴飛ばすやら、鞭打つやら、悪口雑言を浴びせるといった、本当に憎ったらしい隊長アリでした。

一匹のアリが隊長の目が届かない時に、見つからないようにその行列を離れ、ちょっと小高い岩の上に昇って天に向かっては何やら呟くのです。「ありがとうございます。ありがとうございます。神様、ありがとうございます」

  隊長アリは成果を上げるため何時も必死です。そのため辛く厳しく仲間のアリを監視し命令するのです。「働け、もっと働け、成果を上げろ。ぼやぼやするな。急いで働け」

  その一匹のアリは、ちょっとした隙を見付けては、餌集めの労働をさぼり、木の枝に登ったり、切り株の上に登ったりして、何時も天を仰いで呟きます。「ありがとうございます。ありがとうございます。神様、ありがとうございます」

 ある日、空から白くって甘い、アリ達にとってはとてつもなく大きな何万匹もの餌になる、角砂糖が一個落ちて来ました。
 それを見付けたアリ達はそれはそれは大騒ぎです。隊長アリは気も狂わんばかりに興奮しています。他のアリ達も同様に興奮しています。隊長アリは俺の手柄だと大声で自慢しています。どうやって巣穴まで持って帰ろうか協議が始まりました。

 するとまた、あのアリが隊を抜け出し、ちょっと小高い所に登り、何時もと同じように天に向かって呟き始めました。「ありがとうございます。ありがとうございます。神様、ありがとうございます」

 さて、神様にとって、隊長アリと天に向かいブツブツ呟いているアリと、どちらのアリが可愛いでしょうかね。
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by binggou | 2009-08-31 23:11